農業用ハウス POフィルム よくある質問(Q&A)|選び方・耐久性・施工まで徹底解説
農業用ハウス 資材ガイド

農業用ハウス POフィルム
よくある質問(Q&A)

選び方・性能・施工・廃棄まで、農家の方が知りたい疑問をわかりやすく解説します

📘POフィルムの基本知識

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POフィルム(ポリオレフィン系特殊フィルム)は、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのオレフィン系樹脂を多層構造に組み合わせた農業用ハウスの被覆材です。

従来の単層PEフィルムと比較して、耐久性・保温性・光線透過率などが大幅に向上しており、現在の施設園芸で最も広く普及しているフィルム素材です。「PO系フィルム」と表記されることもあります。

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主な違いは下表の通りです。

比較項目POフィルムPEフィルム(一般)
耐用年数3〜7年1〜2年
光線透過率高い普通
保温性高い普通
防霧性優れるやや劣る
コシ(強度)強いやや弱い
価格(初期)高め安価
💡 ポイント 初期費用はPOフィルムの方が高いですが、張替え頻度が少ないため長期的には総コストを削減できるケースが多いです。
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「農業用ビニール」と呼ばれるのは主に塩化ビニール(PVC)フィルムのことで、POフィルムとは素材・性能・環境特性が異なります。

比較項目POフィルム農業用ビニール(PVC)
原料ポリオレフィン系樹脂塩化ビニール樹脂
耐用年数2〜8年2〜5年
※ POフィルム・農業ビニール共にグレードによって耐久年数には違いがあります
光線透過率高い・維持しやすい経年で低下しやすい
低温時の柔軟性柔らかく扱いやすい硬くなりやすい
重量軽い重い
廃棄・環境負荷比較的低い塩素系のため処理に注意
💡 ポイント かつては農業用ビニール(PVC)が主流でしたが、現在はPOフィルムへの移行が進んでいます。POフィルムは軽量で扱いやすく、廃棄時の環境負荷も小さいため、新規導入や張替えの際はPOフィルムを選ぶケースが増えています。
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基本的には同じカテゴリの製品を指します。「PO系フィルム」「農POフィルム」「ポリオレフィン系農業用フィルム」はいずれもオレフィン系樹脂を使用したハウス被覆材の総称です。

ただし、メーカーや製品ラインによって保温性・耐久性・防霧性などのグレードが異なるため、用途に合わせて製品仕様をご確認ください。

🌡️性能・機能について

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一般的なPOフィルムの耐用年数は3〜7年程度です。ただし、以下の要素によって大きく異なります。

  • 地域の紫外線量・気候条件
  • ハウスの設置場所(沿岸部の塩害など)
  • フィルムのグレード・製品の種類
  • 展張時の傷や折れ目の有無
  • 日常の管理・清掃状況
💡 ポイント 強光地帯(九州・四国・関東南部など)では紫外線劣化が早まる場合があります。
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POフィルムはPEフィルムに比べて保温性が高く、ハウス内の夜間温度低下を抑える効果があります。特に赤外線遮断(IR)機能を搭載した高機能グレードでは、放熱を大幅に抑制し暖房費の削減が期待できます。

実際の削減効果は気候・作物・ハウス構造によって異なりますが、IR機能付きフィルムへの切り替えで暖房コストが10〜20%程度削減できた事例も報告されています。

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防霧性(防滴性)とは、フィルム内面に結露した水が水滴となって作物に落下するのを防ぎ、水膜として流れ落ちる性能のことです。

水滴が作物に当たると病害の原因になるほか、水滴がレンズ効果を起こし葉焼けを引き起こすこともあります。防霧機能が高いフィルムを使用することで、こうしたリスクを低減できます。また、水膜状になることで光線透過率の低下も防ぎ、作物の生育促進にもつながります。

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新品のPOフィルムの光線透過率は90〜92%前後が一般的です。防霧機能により水滴が付着しにくいため、使用中も高い透過率を維持しやすいのが特徴です。

なお、フィルムの汚れや経年劣化によって透過率は徐々に低下します。定期的な清掃と適切な張替えのタイミング管理が大切です。

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散光性フィルムは光を均一に拡散させ、ハウス内の光ムラを軽減します。作物の葉が影になりにくく、光合成効率の向上が期待できます。

UVカット機能は近紫外線を遮断することで、アザミウマやアブラムシなどの飛来害虫を忌避する効果があります。農薬使用量の削減や労力軽減につながる一方、ハナバチ(ミツバチなど)の活動が低下する場合があるため、受粉作業への影響を考慮した上でご選択ください。

🔍選び方・種類について

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はい、作物の特性に合わせたフィルム選びが重要です。主な目安は以下の通りです。

  • トマト・キュウリ・ピーマンなどの果菜類:高保温性+高透過率タイプが適しています。散光性フィルムで光ムラを防ぐと収量安定につながります。
  • イチゴ:防霧性が高く、病害リスクを下げるタイプが有効です。
  • 葉菜類(レタス・ほうれん草など):高透過率重視のシンプルなタイプでも対応可能です。
  • 花き類:UVカット機能が不要なケースもあり、作物の種類に応じて確認が必要です。
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POフィルムの厚みは主に0.05mm・0.075mm・0.1mm・0.15mmなどがあります。

  • 0.05〜0.075mm:軽量で展張しやすく、小規模ハウスや短期利用に向いています。
  • 0.1mm:一般的な農業ハウスで最も多く使われる標準的な厚みです。
  • 0.15mm以上:強風地域や積雪地帯など、強度が求められる環境に適しています。

厚みが増すほど耐久性・保温性が高まりますが、重量も増すためハウスの構造強度もあわせてご確認ください。

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以下のサインが見られたら張替えのタイミングです。

  • フィルムが白濁・黄変してきた(透過率の低下)
  • 表面がベタつく、ほこりが著しく付着する
  • 小さな亀裂や穴が増えてきた
  • 防霧機能が低下し、水滴が目立つようになった
  • 展張してから規定の耐用年数に近づいた

🔧展張・施工について

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POフィルムの展張は気温10〜25℃程度、無風または微風の日が最適です。

  • 低温時(5℃以下):フィルムが硬くなり亀裂が入りやすくなります。できるだけ避けましょう。
  • 高温時(30℃以上):フィルムが伸びすぎて、冷えた後に弛みが生じることがあります。
  • 強風時:フィルムが煽られて破れたり、作業者が危険にさらされるため中止してください。

一般的には春(3〜4月)か秋(9〜10月)に展張する農家が多いです。

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展張作業の主な注意点は以下の通りです。

  • パイプやバンドの突起・鋭利な部分はテープや保護材で覆い、フィルムの傷を防ぐ
  • 折り目や強い引っ張りによるクセは劣化の起点になるため、丁寧に扱う
  • 固定用のバンドやクリップは規定の間隔を守り、均等に張る
  • 表裏を確認する(防霧加工面など機能の方向がある製品に注意)
  • 複数人での作業を基本とし、安全を確保する
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小さな穴や亀裂であれば農業用補修テープ(POフィルム対応品)で応急処置が可能です。テープを貼る際は、穴より一回り大きくカットし、フィルム面の水分・汚れを拭き取ってから貼ると密着度が高まります。

ただし、補修テープは恒久的な対策ではありません。穴が多数発生している場合や、フィルム全体の劣化が進んでいる場合は張替えを検討してください。

🌿管理・メンテナンスについて

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軽度の汚れは水洗いや柔らかいブラシ・スポンジで洗浄できます。頑固な汚れには中性洗剤を薄めて使用し、洗剤が残らないよう十分にすすいでください。

高圧洗浄機の使用は推奨しません。フィルムの劣化を早める原因になります。また、硬いブラシや研磨剤はフィルム表面を傷つけるため使用しないでください。

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積雪地帯では、こまめな雪下ろしが基本です。フィルムに雪が積もったまま放置すると、重みでフィルムや骨格に大きなダメージを与えます。

強風が予想される場合は以下の点を確認してください。

  • フィルムの固定バンドやクリップが緩んでいないか
  • 裾部分の固定が十分か(砂袋・土寄せなど)
  • 換気窓・側窓がしっかり閉まっているか

積雪量が多い地域では、専用の耐雪仕様フィルムや厚みのある製品を選ぶことをおすすめします。

♻️廃棄・環境について

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使用済みのPOフィルムは産業廃棄物(廃プラスチック類)として処理する必要があります。以下の方法が一般的です。

  • 産業廃棄物処理業者への引き渡し
  • 農業団体・JA・自治体が主催するフィルム回収・リサイクルプログラムの利用
  • 資材メーカー・販売店が実施する回収サービスの活用
⚠️ 注意 農業用フィルムの野焼き・野積みは「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」で禁止されています。必ず適切な方法で廃棄してください。
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POフィルムはポリオレフィン系素材のため、リサイクル処理が可能な材料です。地域によっては農業用フィルムを専門に回収・再資源化するプログラムが設けられており、リサイクルに協力することで環境負荷の低減に貢献できます。

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